年金「知っ得」情報

清水 学著、年収300万円でも、死ぬまでお金に困らない! 「自分年金」で2400万円つくる50の知恵

メーカーにお勤めの方には、本当に頭が下がります。

グローバル競争の最先端で、「月給2万円で喜んで働く人」を相手にコストダウンの熾烈な競争を戦っているわけですからね。ソニーやパナソニックなど、苦戦が報道されていますが、ぜひ頑張って欲しいものです。

ただ、悲しいのは、そうやって頑張っているメーカーさんの社員の方、生涯年収が低いそうで…

ある調査によると、大手銀行とメーカーでは、生涯年収に1億円ほど差がつくそうです。

なんだかやるせない話ですけど。

とはいえ、雇用も含め、いろんないみで日本を支えるメーカーさん、何とかしなくちゃ、という視点で「お金の面で自己防衛」を問題意識として書かれたのがこちらの本。

清水 学著、年収300万円でも、死ぬまでお金に困らない! 「自分年金」で2400万円つくる50の知恵

著者は、セイコーエプソン労働組合の副委員長。

その体験を元に、「フツーの労働者がお金の心配から解放されるためにはどうしたらいいか?」がまとめられています。

なので、ファイナンシャル・プランナーが書いたこの手の本とはちょっとカラーが違いますね。

たとえば、

 「セイコーエプソン労働組合では、1995年から『脱春闘』というスローガンを掲げ
  『可処分所得を引き上げるのは賃上げだけではない!』という大きな方向
  転換をしました」 (19p)

なんて記述を読むと、冒頭のグローバル競争の話と平仄が合っているのが分かりますよね。

コストカットのために給与を上げにくいという条件を所与として、その中で豊かな生活をどう構築するかを解説してくれているわけです。

フツーの企業に勤めながらも将来に漠然とした不安を抱えている人は、ぜひ手にとって欲しいですね。

花輪 陽子著、夫婦同時失業から復活したFPが教える、節約せずに年間200万円貯める方法

不況が続く中、「節約しなくっちゃ…」と焦りにも似た思いにとらわれている人も多いでしょう。

そんな時、意外な観点から目を開かせてくれるのがこちら。

花輪 陽子著、夫婦同時失業から復活したFPが教える、節約せずに年間200万円貯める方法

評価は

★★★★★ (ゼッタイお薦め。一生ものの価値あり)(評価の基準はこちら)

一見すると節約の本ですが、実はちょっと違います。その本質は、

 「年収400万円でも生涯賃金3億円の夫こそ『資産』」

というひと言に要約されます(24p)。

そう、この本は、

 長期的な視点から (生涯賃金)
 フローとストックを分けて考えて (年収 vs. 資産)

トータルに家計を、ひいては人生をコントロールしようと言う提言なのです。

ちなみに、著者の花輪陽子さんは、マネー講師の登竜門「E-1グランプリ」の優勝者。

さすがに「伝える力」が違います。

カン・チュンド著、ETF投資入門 (日経文庫)

「投資の話の時、ETFって聞くことがあるけど、ぶっちゃけどうなの?」

と言う時にぜひチェックして欲しいのがこちら。

カン・チュンド著、ETF投資入門 (日経文庫)

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

本書の最大の特徴は第5章の、「ETFのデメリットとリスク」にあります。

あたりまえだけど、ETFだって魔法の杖じゃないんだから、これだけ買っておけば全てがうまくいく、というものではありません。

もちろん便利な商品なんだけど、ちゃんとデメリットとリスクも分かったうえで「使い分け」をするためには、この章で勉強した方が良いですね。実際におカネに関する個別の相談にものっている著者だからこその、親切&真摯な姿勢と言って良いでしょう。

投資初心者を脱して中級者に踏み込みたい人にはオススメです。

ノフシンガー 「最新 行動ファイナンス入門」

「行動ファイナンスって、最近流行みたいだけど、なに?」

と言う時にチェックしたいのがこちら。

ノフシンガー 著、最新 行動ファイナンス入門

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

そもそも行動ファイナンスって何?という方には最適の入門書でしょう。
行動ファイナンスに関するトピックをひととおりカバーしながらも、説明は平易で
113ページしかなく一日で読み切ることが出来ます。
ただし、コンパクトでも内容は正統で今後他の行動ファイナンスの本を読む
指標となるような良書です。

行動ファイナンスとは従来のファイナンス理論では説明できなかった現実と理論の
ギャップを埋めるものとして期待されている新分野です。

従来のファイナンス論に心理学や認知心理学の成果を加え

・投資家は期待効用最大化の合理的な行動をせず実際には一定のパターン
(心理的バイアス)に従う。
・一定パターンには、認知的不協和、メンタルアカウンティング、気質効果、
コントロールの幻想、ヒューリスティクスエラー、感応度低減・・・
などで説明できる行動がある。

という考察を引き出しています。

個人投資家が行動ファイナンスの知見を得て勝利するには、上記のエラーパターンを
認識し、それを避けるようにすることだそうです。
具体的には「利益は放置し損失は限定せよ。」などの指針があります。
また「オンライン証券を利用する場合は、特に認知エラーを起こす危険性が高まる
ことを自覚したい」
という指摘は、オンライン証券全盛の昨今、なかなかスルドイ
のではないのでしょうか。

書店の投資コーナーへ行くとセンセーショナルな本が多数見られる現在、
自己防衛のためには学んでいて損はないと思います。

ニーアル ファーガソン著、マネーの進化史

けんかっ早いことで有名なハーバード大学のファーガソン先生が書いた、金融史の入門書。

ニーアル ファーガソン著、マネーの進化史

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

体系だった内容と、読者を飽きさせない優しい語り口で、楽しく金融史が学べてしまう、とってもお得感のある本です。

金融って言うと、サブプライムやリーマン・ショック、ギリシャ・ショックなど、「今そこにある危機」に目がいきがちですが、現在進行形の事象を知るためには過去の経緯をひもとく必要があるわけで、この意味で金融に興味がある人全てが一度は手に取りたいものです。

もちろん現代日本もその例外ではなく、いくら国内の投資家が買っているとはいえ、巨額の国債発行が今後どう影響を与えるか、中世イタリアの都市国家を範に考えてみるのも面白いですね。

欲を言えば、もうちょっとコンパクトにまとめても良かったんじゃないかなー、と思いますが、それでもぜひ手に取りたい一冊です。

デジタル類語辞典(日本語)

説得力ある文章を書きたいですよね。

日常のレポートや提案書でももちろん、集客のためのキャッチコピーを考える時なんて言葉一つで成約率が違うので、徹底的にコダワリ抜くわけですが…

正直、自分のボキャブラリーの貧弱さにがっかり、なんてことも良くあります。

そんなとき大きな助けになってくれるのがこちら。

デジタル類語辞典

評価は

★★★★★ (何度でも読む価値あり)(評価の基準はこちら)

一つの言葉を引くだけで、同義語・広義語・狭義語・関連語・反義語などが一気に出てくるのが何とも便利。とくに、「関連語」というのは、キャッチコピーなどを作る際に言葉を探すのに便利ですね。

あと、この手のソフトって、ウェブ上じゃなくってデスクトップにあってパッと見られるのが重要な気がします。思考の流れを妨げないと言う意味でね。

とにかく、文章を書く人にはお勧めです。

金森 重樹著、借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記

マネーに興味がある人なら金森重樹さんはご存じですよね?

「通販大家さん」という不動産投資のサービスは余りにも有名。はたまた、メルマガ「回天の力学」やジェイ・エイブラハムの「ハイパワー・マーケティング」の監訳者として記憶にとどめている方も多いでしょう。

その金森さんの「一代記」とでも言うべき本がこちら。

金森 重樹著、借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還記

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

いやー、借金は怖いですねー、と言う教訓もさることながら、様々な心理テクニックを学ぶという観点で読むととても参考になります。

それはたとえば、極限まで追いつめられたとき平常心をどう保つか、であり、怪しげなセールスマンはどういうテクニックを使って人を相場の罠にハメるのか、でもあります。

というのは、マネーをコントロールすることは、心理をコントロールするのと表裏一体。だって、投資にしたって、一番難しいのは心理のハードルを乗り越えるところですからね。売るにしても買うにしても、はたまたこれから始める人にとっても。

危機的な状況からの「生還者」、金森さんの言葉は重く受け止めたいものです。

下記、ポイントを。

●「簿記は、簿記だけ勉強すると面白くないのですが、実際の会社の事例を考えながら取り組むと嵌りますね。面白いです。」

●「その時にようやく、僕は億万長者になる方法の微かなヒントを手に入れ始めていました。(中略) 必要なのは、金持ちになるための仕組みについての深い洞察と、より高い思考のステージへの飛躍だけです。
 僕は、最初の手がかりを簿記というツールを使って発見しました。ツールなしでは僕には永久に発見できなかったでしょう。お金の仕組みは、お金の流れを示している会計の知識なくしては把握できませんので。その時僕は、会計の知識の習得は、金持ちになるためには避けては通れない事柄だと身をもって感じました。」

●「僕は、普通の人だったら首をつって死んでしまうような自体に何度か遭ってきています。ですが、平気の平ちゃんでやり過ごしてきています。傍にいる人間の方が神経が参るような自体で僕が平然としていられるのは、単純に、許容量を超えたものは、許容しないで受け流すからです。八方塞がりの状況でも平然として起死回生の一撃を打ち込める図太さ、これがないと前へ進んではいけません。人生は、順風満帆とはいきません。人生に失敗はつきものです。大きなものを望む人間には、その大きさに応じた試練が降りかかってきます。「谷深ければ、山高し」です。 (中略) 試練がやってきた時には、昼寝して、やり過ごせばよいのです」

鈴木 雅光 「買ってはいけない「金融商品」のからくり」

国内で販売されている金融商品の落とし穴を解説

鈴木 雅光著、買ってはいけない「金融商品」のからくり

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

そろそろ冬のボーナスの季節です。日経平均も5年ぶりに一万五千円の大台突破など景気の良いニュースが続いているので、ボーナスの一部を投資にまわそうという方も多いかもしれません。さて、どんな商品に投資しますか?インド株ファンド、外国為替証拠金取引、バリュー株、個人向け国債、毎月分配型投信、投資型年金保険、ちまたにはずいぶんいろいろと流行の商品があります。
ただ、その内容を知ろうとしても宣伝やパンフレットには良いことしか書いてないみたいです。でも、ずばり本当のところはどうなんでしょうか?そんな疑問に答えてくれる一冊

この本は辛口の金融商品ミシュランです。現在国内販売されている金融商品(株は除く)に関して、商品毎にその成り立ちの仕組みや、どんな危険性があるかを指摘しています。まとめとして商品毎の危険度に応じて五つまでの星をつけ評価します。時にははっきりとこの商品は買う価値が無いと一刀両断しているところがすばらしいです。

例えば、今団塊の世代が退職金を運用するのに大人気のグローバルソブリンオープン(毎月分配型ファンド)については危険度 3 投資先はソブリン債なので、株式投資よりはリスクが小さい。ただし、ソブリン債が外債のため為替リスクがあって商品全体として考えるとかなりリスキー。さらには今後の金利上昇局面において、基本的に債権の価格は下落するので、そのリスクもある。また、投信の純資産額が大きくなりすぎたための運用上の問題もある。

のような説明があり、「リスクをあまりとることが出来ない退職者が、ポートフォリオのほとんどを為替リスクのある商品に投資してよいのか?」と結んでいます。
こんな感じで、いろいろな商品についての説明が続きます。日本国債については「愛国心のある人だけが買えばいい」とまさに一刀両断です。

また、最終章では悪い金融商品にだまされないための十か条をあげているので、参考にできるでしょう。

金融商品の宣伝パンフレットそのものだけを穴のあくまでいくら眺めたところで、商品の本質はわかりません。金融商品を選ぶ際には、本書のような別の視点から書かれた情報で商品ごとの大まかな概略をつかんでから検討しましょう。

神戸、幸せな老後を呼び込む ほんとうに真っ当な資産運用

自分で、「真っ当ですよ」と言っている人に限ってかえってうさんくさく見えないですか?

なので、この本も警戒心をもって読み始めましたが、本当に真っ当でした。

  神戸孝著

幸せな老後を呼び込む ほんとうに真っ当な資産運用

評価は
 評価★★★★☆ (四つ星)

(評価の基準はこちら)

「真っ当さ」のゆえんは、広い範囲をカバーしていることにあります。

ほら、資産運用の本って、どうしても「いかに儲けるか」になりがちじゃないですか。

ところが本書は、どのくらい必要か、と言う使うサイドにも、そして住宅ローンという借りるサイドにも言及してあるのが特徴。つまり、マネーのビッグファイブ(ふやす、つかう、かりる、そなえる、かせぐ)が全て網羅されているわけ。

逆に、その分だけ個々の論点が薄くなってしまったのは否めないので、参考文献を載っけてくれるともっとよかったんですけどね。

あと、もう一つの大きい短所としては、よんでて面白味がないこと、かな。

FPの人の特徴なんだけど、ライフプランから話にはいるわけですよ。あなたはこのくらいお金が必要なんですよ、って。

まさに正論、真っ当ではあるんだけど、その手の話って聞くだけでげんなりしちゃうんだよな。

ま、でも、上述の通り良い内容なので、我慢して読み進めてみると、きっとタメになると思います。

ラスベカス問題

こんにちは、マネーカレッジ  インターン生の東山ですにこ

今回は資産運用におけるちょっとした心理に関する話題です。
資産は増やすのも重要ですが、いかに減らさないかも大事な側面です。

減らさないための「気持ちの工夫」に気づかされるラスベカス問題と呼ばれる逸話がありますので紹介させて頂きたいと思います。
とある新婚夫婦がハネムーンでラスベガスに来ていました。何日かギャンブルを楽しみましたが一向に勝てません。その日の夜も相変わらず負けて帰ってきました。妻は早々に寝てしまい、夫は漫然とテレビを見ていました。その時、テレビの上にルーレットに使う5ドルチップが置かれていることに気がつきました。多分、妻が使い忘れてカジノから持って帰ってきたのでしょう。夫はその5ドルチップをポケットに入れ、寝ている妻を起こさないようにそっと部屋を出てもう一度カジノに向かいました。カジノに着くや、夫はルーレットに向かい5ドルチップを賭けました。結果は大当たり。その次も大当たり。気がつくと100万ドル(1億円超)ほど勝っています。夫は100万ドル全額をつぎ込んで最後の勝負に出ることにしました。当たれば1,000万ドル(10億円超)です。ルーレットが回り始めました。ところがとうとう運のつき。勝負に負けてしまい一文無しになりとぼとぼとホテルに帰りました。部屋に入ると妻が目を覚まして「どうしたの」と怪訝な顔つきです。「カジノに行っていたのだよ」と答える夫に「どうだった?」と聞く妻。夫は答えます。「悪くはなかったかな、5ドル損をしただけだから」。(『賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか』 ゲーリー・ベルスキー他、日本経済新聞社刊を参考)
みなさんなら、損失をいくらだと考えますか?


最初に持っていたお金が5ドルだから、5ドルの損失だろうと考える方が多いのでは。私自身もかなりのプラス思考で都合の良い人間ですので、そんな風に思います。

 

しかし、実際では明らかにある時点で一億円を保有しているのだから、一億円の損失と考えるのが正しいのではないでしょうか。
ハウスマネー効果という言葉があります。

 

ハウスとは賭場すなわちカジノのこと。カジノに入っている間、つまりハウスに入っている間のお金は、本来は自分のお金であるにもかかわらずあたかもハウスという別の世界で儲けたり損したりするお金だという感覚を、知らず知らずのうちに私たちは持つということです。
簡単に手に入ってしまった、もしくは思わぬ収入があった時、このハウスマネー効果がうまれやすいらしいです。
私もついつい旅行先や買い物などで衝動買いなどしてしみ、お金を使ってから後悔するのですが、こういう“宵越しの金は持たない”的な考え方が一番恐ろしいですね。


マネーの使い方だげではなく、マネーに対する考え方も勉強していきたいものです。

マネーカレッジ じぶん年金研究所